第1回写真部「セルフポートレート」

今年で5回目となる写真部。
これまではプレゼンや編集がメインのワークショップでしたが、今年はカフェの中に仮設スタジオを作り、撮影をしていきます。

1回目はセルフポートレート撮影。
写真部には毎年撮影が大好きな高校生たちが集まりますが、意外にも「自分で自分を撮る」ということはやったことのない人が多いのです。
一番近くにいながら、実はなかなか本当のことはわかっていないのかもしれない「自分」。その「自分」を自分で撮ってみることで、なにか新しい発見があるかもしれません。

さて撮影がはじまりました。
「えー、どうしよう?」と戸惑いながらも撮影をはじめる部員たち。
撮影は仮設スタジオの中でセルフタイマーを使って一人で行い、他の人たちは外に設置された、カメラと繋がっているPC画面を見守ります。
一人きりで撮影することで、徐々に部員たちの羞恥心はなくなり、ポーズを決めたり、表情を考えなおしたり、さらには小道具を使ったり。
シャッターが切れ、画像が転送されて来る度に、「おおー!」という大歓声があがります。
私からは「自分をよく見つめてね」というひと言だけ。
その言葉を受けて、それぞれが短時間のなかで、まるでアドリブの一人芝居のような撮影が続いていきました。

最後にでき上がった写真をみて、みんなでディスカッションと展示する写真のセレクト作業。
各自、初めて撮ったセルフポートレート作品もさることながら、他の人が撮った写真にも興味津々なようすです。
今日の撮影についての作文を書く宿題もあるので、みんな「この写真なら作文も書けるかなあ」という感じでお互いの写真をセレクトしていきました。

感想を聞いてみると「最初ははずかしかったけれど、自分で自分を撮るのは面白かったしこういうことができるんだ!またやってみたい。」とのこと。
私もみんなが初めて出会った「自分」という被写体に、興奮しながら向き合っていく様子をみていて、新鮮な気持ちになりました。

さて次回は、ポートレート。
水戸芸術館内に来ている人たちに、声をかけて写真を撮らせてもらいます。
今日の撮影体験は次回の撮影に活かされるでしょうか?
楽しみです。

書き手:松本美枝子(写真家、写真部顧問)
写真:山口栞

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